木造住宅は構造計算がいらない?

構造計算
「木造住宅は壁量規定すら充足しているか定かではない」
という恐ろしい法律の抜け道があることを知っていますか?

四号特例といわれる法律であります。

建物を建てる際は通常、確認申請と言う審査が必要になります。
確認申請とは、建築士が建築計画を立て、その設計図をもとに市役所や県庁などの行政に建設の許可を得るために行なう業務であります。

通常、確認申請では敷地・建物の高さ、防火、構造など、その建物が安全に建てられるかを審査いたします。 
1年間に110万戸程度の新築住宅の確認申請が行なわれています(2007年時点)が、そのなかで、木造戸建て住宅は年間50万戸ずつ新しく建てられており、マンションの30万戸に比べても実質的に多く、確認申請は重要な役割を担っています。
 ところが、その確認審査をする法律に「四号特例」というものが存在します。  
木造2階建ては建築基準法のなかでは「四号建築物」と呼ばれているが(少しマニアックな用語ですみません)、この四号建築物については建築基準法の「第六条の三」の規定のなかで定められています。
その内容の概略は次のような事。

「第六条一項第四号に該当する建築物(500平方メートル以下、2階建て以下の木造建築物等)で、
建築士(一級、二級、木造)の設計したものについては、構造設計に関する部分他について、
設計者の技術水準を勘案し、建築主事の審査を要しない」

つまり、「木造二階建てに関して建築確認審査では、壁量規定のチェックはしない」と定めているということ。

だから、地震が起こるたびに法律で厳しい規定を行なっていても、実態を見る人(組織)がないために耐震性のない木造住宅が野放しになっています。
なんとも間抜けな・・・
 
他にも法律で定めていても守れられていない例はたくさんあります。
たとえば年金の支払いやNHKの受信料などはその典型的な例。
審査や罰則がないために不払いは後を絶たない。
年金やNHKの受信料をきちんと払っている人は60%程度とされているから、罰則がない建築業界でも耐震性について無頓着と見なしてもいいのかもしれない。
その数を年金不払いの40%と見るのは早計だとは思うが、利益優先の建築業者のなかに、壁量規定すら満たさない住宅を売り出している業者があることも事実。
2006年に、一(はじめ)建設という分譲業者の2階建て住宅が、壁量規定すら満たしていなかったという事件が報道されたが、その数は1,000棟に達するというものであった。
姉歯事件に匹敵する事件だと思います。
この事件は、自社からのリコールという形を取ったため大きく報道されることはなかったが、一応ルールでは定めていても、チェックする機関がないので誰にも気づかれずに壁量すら足りない住宅が売られていた、という事実があることを明らかにした。
しかも、この違反を犯した建築業者は、罰せられるべき法律がなかったために、罰せられたのは確認申請を行なったとされている下請けの一級建築士個人だった。
しかし、事態を重く見た国土交通省は、2009年12月までにこの四号特例を廃止すると発表した。
(しかし、2015年の今、いまだに改正されていません)


とにかく、現状の法律のなかでは、2階建て木造住宅は、
①構造計算をしなくてよい。
②その代わり壁の枚数ぐらいは数えておきなさい。
③でも確認検査ではチェックしないから自分で確認しなさい。
「これで耐震性を絶対確保しろ!」というほうが無理だ。

では、どうすればいいのか??
答えは簡単。
木造住宅といえども、構造計算をしっかりするべきなんです。
家族の命を犠牲にしてまでコスト削減の為に構造計算を省きますか?